2013年12月7日土曜日

松下幸之助語録(その1)

 松下幸之助翁の有名な言葉に「松下電器はものをつくる前に人をつくる、あわせて電器商品をつくっている」という言葉があります。この言葉どおり松下電器の大きな特徴の一つに多くの人材を育成してきました。

 この人づくりの秘密を解く2つのキーワードがあります。1つは「凡事徹底」平凡なことを徹底してやらせることです。凡事を徹底することによって習慣づけを行うのが松下流の人づくりの極意です。「凡事徹底」が表れているものに5Sがあります。5Sこそ凡事徹底の最も典型的な例であると言います。
 もう1つは「覿面注意」(てきめんちゅうい)です。凡事が徹底できなかったら顔を見てその場で注意をする、叱るということです。幸之助さんの叱りかたは実にすさまじい叱りです(「叱り叱られの記」後藤清一氏参照)この二つの方法に松下幸之助翁の人づくりの基本があるというのです。平凡なことをしっかりこなすことを習慣づけ、それによってまじめに正直に、もっと言えば愚直に仕事をすることの意味を教えていたのではないかと考えられます。
 これに関係する考え方がもう1つあります、「小事は大事」です。小事にとらわれて大事を忘れてはならないが、小さな失敗は厳しく叱り、大きな失敗はむしろ発展の糧として将来に生かしていくことが一面では必要でないかと言っています。
 小さなことを叱る理由は2つあるという、頭のいい人は合理的に物事を考えます、合理的に物事を考える人はえてして小さな事を無視してしまいがちです。本筋だけを外さなければ良いと考えてしまいがちなのです。だからと言って小さな事を無視していると次第に組織自体が弱くなっていくのです。このことからも小さなことを徹底してやることが大切だと言うのです。(藪野)

                                                                                             藪野 嘉雄